結びの五節供 – 人日

結びの五節供 – 人日

【結びの五節供】

人日(じんじつ) 一月七日

七草で知られる一月七日は五節供の最初「人日」にあたる。
古来、中国には元日からの七日間で鶏、狗(いぬ)、羊、猪、牛、馬、人の一年の吉凶を順に占う風習があり、
それぞれの日には対象となる生きものに感謝し、大切に扱った。
新年七日の「人」の日は、人々が一年の無病息災を祈り、七菜の羮(あつもの)を食す日。
それが日本にもともとあった若菜摘みの風習と結びつき、民間に深く根付いた。

卯槌(うづち)/あわび結び

卯槌は、太さ一寸、長さ三寸の桃の角材に、五色の組糸を通して五尺ほど垂らしたもの。正月初の卯の日に邪気を祓う具として、平安時代、宮中では天皇の御座所である清涼殿、昼御座(ひのおまし)の柱に掛けられ、貴族同士も互いに贈り合った。槌の上を飾るのはあわび結び。結びは外から入る邪気を防ぎ、内にある魂を守る結界の意味を持つ。人生の節目の祝い事や神事には必ず結びがあった。

制作/関根みゆき(結び研究家)
「結びの五節供」は、日本に古くから伝えられてきた五節供にまつわる結びに独自の考察を加え、資料をもとに再現・創作したものです。