新嘗祭と勤労感謝の日

新嘗祭と勤労感謝の日

今日11月23日は「勤労感謝の日」として国民の休日になっていますが、
本来は新穀を供えるお祭りの日です。
宮中では、天皇陛下が感謝を込めて新穀を神さまに奉るとともに、自らも召し上がります。
また、全国の神社でもその年の収穫を感謝する「新嘗祭(にいなめさい)」が斎行されます。
もちろん川越氷川神社でも、8時30分より執り行われました。

ちなみに「新」は新穀を「嘗」は食べ物を整えてもてなすことを意味します。
その年の収穫物は国家としてもそれからの一年を養う大切な蓄えとなることから、
古くは、天照大神が新嘗祭を行っていたという記述もあるそうです。
今でも、天皇陛下が臨まれる宮中祭祀(さいし)の中で最も重要とされ、
取材はおろか参列者でさえ中を伺うことはできない、とても厳粛な儀式とされています。

さて、一説によると「動労感謝の日」の名称も、命の糧を神様からいただくための勤労を尊び、
感謝をしあうことに由来しているのだとか。

さて、誰に感謝すればよいのでしょう。

神様?
やっぱり身近にいる家族??

そういえば、子供の頃、

「勤労感謝の日でお休みなのに、なんでうちのお父さんは会社に行くんだろう?」

と不思議に思い、ときには文句を言ったこともありました。

大人になった今ならば分かります。
私たちは、衣食住はもちろん、買物や遊び、交通など生活に必要なあらゆるサービス
において、すべて他人様の勤労と生産の「おかげ」に助けられて生きています。
人は、お互いの支えあいによって生かされているんですよね。
「働く」という言葉の解釈には「傍(はた)を楽(らく)にする」という意味もあります。
父が祝日なのに働いていたのも、家族のため、そして社会のためだったのわけです…

そんなこと、子供の頃には考えもしませんでした。
分かっていたら、父にちゃんと感謝の言葉を伝えることができたのにな、
ついそんなことも思ったりもします。

学校の授業では教えてくれないけど、
本当は凄く大切なことって、やっぱりあるんですよね。
それらを伝えていくのは誰か…
これからの時代、それもまた神社のひとつのツトメ、でもあるのかもしれません。

なにはともあれ、なにごとにも感謝の気持ちを忘れずに。
そして、今日も美味しいご飯をいただけることにありがとう、ですね。