神前結婚式

神前結婚式

私たちにとって結婚は人生最大の節目であり、
それはまず「古事記」「日本書紀」に記された神話の中に
神々の姿として生き生きと語られていました。
神話には、神々の働きによって行われる結婚がこの世の中の生成発展をもたらし、
すべての物を生みなしてゆく根源であることが示されています。
人と人を結ぶ神々の「むすび」の働きによって、
結婚は子孫繁栄の第一歩であるとともに、家庭の繁栄や地域社会ひいては、
国の発展につながっていきます。

夫婦の和合を願い、夫婦の契りを固める結婚が、
神々の計らいであり、恵みであるという考え方は
遠い祖先から受け継がれてきた神々への素朴な信仰でもありました。
このことはまた、親から子、子から孫へと連綿と続いていく
「命」を大切にしてきたあらわれでもあります。

神前結婚式は、そんな神話に始まる永い歴史を経て、
日本古来の神祭りの伝統と人々の生活の中で営まれてきた伝統的な結婚礼式を
踏まえつつ、今日のかたちとなりました。

昔と今では、人々の結婚式に対する意識も少しずつ変化しています。
それに伴い結婚式にもさまざまな形式が生まれました。
選ぶ側からすれば、よりどりみどりです。
でも、ちょっとだけ考えてみてください。
結婚式に「オシャレ」「オリジナリティ」「スタイリッシュ」などの要素は
はたして必要なのでしょうか…

結婚式は自分、そして自分たちのためだけに行う儀式ではありません。

世の中のたくさんの人のなかから出会ったふたりが
互いの気持ちを確かめ合い、夫婦として結ばれることで
これから社会の一員として参加していくための決意を示す。
そう、人はひとりでは生きてはいけないのです。

神前結婚式のことを「堅苦しい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
でも私たちはあえてこう伝えます。
結婚式は堅苦しいぐらいでいいのだと。
けっして軽い気持ちではなく、厳粛な気持ちで当日を迎えて頂きたい。
私たち日本人にとって、それだけ結婚とは重くて大切な節目なのですから…