明かり

いよいよ大晦日です。
いろいろなことがあった平成23年もまもなく終わろうとしています。

お正月のために、神社では氏子崇敬者から奉納されたたくさんの灯籠に明かりを灯す準備を行いました。
いつもとは違い、夜でも明るいお正月ならではの境内の光景は実に華やかです。

さて、そんな明かりの準備をしているなか、電気が通っていなかった昔、毎夜の食卓を照らす一本の蝋燭の明かりはどんなにか優しいものであったろう、と考えていました。
薄闇に灯る小さな小さな炎の揺らめきは、現代の私たちが感じる以上に明るく、暖かなものであったでしょう。

各家庭では小さな行灯や蝋燭のあかりで暮らしていた当時も、
由緒ある神社やお寺にはたくさんの灯籠に火が灯され、
夜も明るく遠地からの参詣者を迎えていました。

「観光」という言葉はこうした光景から生まれた、ともいわれています。
初めて訪れる土地であっても、優しい光が溢れた境内に入ると、旅の疲れも吹き飛んだことでしょう。

川越氷川神社では新年が明けた零時から未明までの祈願をお受けになった方々には神社特製の手持ちぼんぼりに明かりを入れ、差し上げています。
元日には、ぜひ、灯籠やぼんぼりが放つ優しい「光」を「観」にお出かけ下さい。
日本人らしい柔らかな「明かり」を灯してお待ちしています。

そして、迎える平成24年が「明るい」1年となることを願いながら…
皆様、よいお年をお迎えください。