嫁ぎの紅

嫁ぎの紅

 

もうおなじみとなりましたが、川越氷川神社・氷川会館では結婚式当日、
花嫁支度の仕上げとして、母から娘へ点す「嫁ぎの紅」を行っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親子の絆を感じる感動的な瞬間です。
その際に使用される紅。
文政八年(一八二五年)日本橋小船町に創業以来、当時と同じ製法を守り続ける
紅屋『伊勢半本店』の小町紅を使用しています。

そもそも紅とは、紅花の花弁に僅か一パーセントのみ含まれる赤色色素のこと。
太陽や炎、血の色を連想させる「赤」は、生命を象徴する色ともされ、
日本では古より、呪術的・祭祀的な意味をもって使われてきました。
たとえば神社の鳥居、あるいはお守りや水引。
そして、赤そのものである紅は人生儀礼や年中行事において、衣裳や化粧などに用いられてきました。

 

 

 

 

眩いほどの玉虫色。
この輝きこそが良質な紅の証です。
これを水で溶くと瞬時に鮮やかな紅色に変化します。
かつて紅は、金と等価交換されたほど高価だったのだとか。
原材料は山形県産の最上紅花。
紅職人は、江戸時代から続く伝統の製法を守り、何十工程もかけて手作業で紅を作り上げていきます。

昔ながらの紅づくりを守り続ける日本でただ一つの紅屋。
川越という古きよき町で一五〇〇年以上の伝統を守り続ける川越氷川神社。
そんな私たちだからこそできる、本物のハレの日の「思い出づくり」があると思います。

結婚式の日には、ぜひ日本伝統の口紅「小町紅」で、より一層の華を添えてください。
時は流れてもその記憶は永遠です。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 :  「伝統行事と紅のいろは」 伊勢半本店