雨やどり

雨やどり

それはまだ私が神様を信じなかった頃
九月のとある木曜日に雨が降りまして
こんな日に素敵な彼が現れないかと
思ったところへあなたが雨やどり

すいませんねと笑うあなたの笑顔
とても凛凛しくて
前歯から右に四本目に虫歯がありまして
しかたがないので買ったばかりの
スヌーピーのハンカチ
貸してあげたけど 傘の方が良かったかしら

でも爽やかさがとても素敵だったので
そこは苦しい時だけの神だのみ
もしも もしも 出来ることでしたれば
あの人にも一度逢わせて ちょうだいませませ

ところが実に偶然というのは
恐ろしいもので 今年の初詣に
私の晴着の裾踏んづけて
あ、こりゃまたすいませんねと笑う
口元から虫歯がキラリン
夢かと思って ほっぺつねったら 痛かった

そんな馬鹿げた話は
今まで聞いたことがないと
ママも兄貴も死ぬ程に笑いころげる 奴らでして
それでも私が突然 口紅などつけたものだから
おまえ大丈夫かと おでこに手をあてた

本当ならつれて来てみろという
リクエストにお応えして
五月のとある水曜日に彼を呼びまして
自信たっぷりに紹介したらば
彼の靴下に 穴がポカリ
あわてて おさえたけど しっかり見られた

でも爽やかさが とても素敵だわとうけたので
彼が気をよくして急に
もしも もしも 出来ることでしたれば
この人をお嫁さんにちょうだいませませ

その後 私 気を失ってたから
よくわからないけど
目が覚めたらそういう話が すっかり出来あがっていて
おめでとうって言われて も一度気を失って
気がついたら あなたの腕に 雨やどり

http://www.youtube.com/watch?v=aHjDcbxsQLo

ごめんなさい。
私、別に「さだまさし」のファンではありません。
たまたま、ラジオから流れているのを聴き、いい歌だなと思いまして…
コミカルなんだけど、ストーリーにとても味わいがあり。

この広い世界に、星の数ほどいるヒト。
そのなかから、運命のヒトと出会うということ。

将来結ばれるべき男女は、互いの小指と小指を見えない赤い糸で結ばれている。

やっぱり、神様は見守ってくれているのだと思います。