求婚、許婚の結び

求婚、許婚の結び

昔、日本には結婚を申し込む男性が、
二本の紐で二カ所に結び目をつくった「求婚の結び」を
女性へ渡して求婚の意志を伝える風習があった。
それを受け取った女性は、紐の両端を引いて
結び目を一つに合わせた「許婚の結び」を男性に返し、
承諾の意志を伝えたという。
紅白の結びは、六角形を基本とする六方緒締の応用で、
白い紐は九角の奇数「陽」で男性を表し、
赤い紐は八角の偶数「陰」で女性を表す。
それぞれの紐の長さは、新郎新婦がこの世に生を受け、
今まで過ごしてきた年月の長さ。
陰陽五行説では「陰と陽の和合によって
新たなものが生まれる」とされる。

制作/関根みゆき(結び研究家)
「求婚、許婚の結び」は、日本に古くから伝えられてきた結婚を表す結びに独自の考察を加え、資料をもとに再現・創作したものです。