立冬

今年の気候はなんだか不安定で11月なのにまるで夏のような日さえありましたね。
それでも陽が沈み、夜になるとほんの少し前まではぼんやりとしていた冷気がはっきりと感じられるようになってきました。
それもそのはず。
昨日11月8日は立冬。
暦のうえではもう冬に入りました。

「立」には新しい季節になるという意味があり、二十四節季内では「立春」「立夏」「立秋」と並んで季節の大きな節目です。
四季の移ろいに富む国、日本。
四季それぞれに自然は様々な表情を見せてくれます。

住まい、食べ物、風習、お祭り…

私たち日本人は遠い昔から、季節の変化を楽しみながら、時には厳しくもある自然に対応するため、
それぞれの季節に合ったものを考え、実践してきました。
暦にはそんな先人たちの知恵や経験が息づいています。

今は日本中どこに行っても寒ければ暖房、暑ければ冷房。
それが当たり前の時代です。
しかも地球温暖化などの現象もあり、なんとなく季節感というものが曖昧になりつつあります。
なんだか悲しいですね。

でも、私たちはちょっとしたココロの持ち方ひとつで季節を感じることもできるはずです。
野に咲く花の匂い、木々の葉の色、八百屋に並ぶ野菜、魚屋に並ぶ魚、
陽の沈む時刻、風や空気の冷たさ…
自然との対話を心掛けてみると、なんとなくココロも豊かに、そして温かい気持ちになれるように思います。

日本という自然に恵まれた豊かな国に生まれたことに感謝をしつつ、今日を暮していきたいものです。
さあ、コートを出しましょう。